「夏枯れ」というわけでもないのだろうが、ここ最近、低ボラ相場が続いている。
指標や発言等の材料が出てくると、その瞬間は大きく動くので、日足を見るとそれなりの値動きがあるように見えるのだが、その内実は、材料が出た瞬間だけ動いてそれ以外は長時間凪の状態が続いているので、短期トレードの観点から言えばボラは低い。
この日も、朝からジリジリとしたやりにくい値動きが続いていたのだが、アメリカ時間に入った午前0時ごろ、「トランプ大統領がパウエル議長解任の可能性について共和党に問い合わせた」という情報が流れた。



これによって一気にドル売りが進み、ドル円は148円の70銭台から146.899まで下落。ユーロドルも1.16000付近から1.17207まで急上昇した。
さらには、「トランプ大統領がパウエル議長を解任する手紙を書いた」という情報まで出てきて、市場が一気にざわめき始めたところに、こんどは打って変わって「トランプ大統領はパウエル議長を解任する予定はないと表明した」という真逆の情報が出てきた。



これを受けてドルは再び買い戻され、ドル円は148.374まで暴騰。ユーロドルも1.16103まで下落した。
もう、なにがなんだかという感じなのだが、一部のアナリストからは「トランプ大統領がドル高阻止のため、ある種の口先介入としてパウエル議長解任の話題を使っている」という指摘も出ている。
この日のドル円の高値は149.187。ユーロドルも、一時のユーロ買いの勢いがおさまってきてややドル買いに傾てきたところだっただけに、ドル高牽制の口先介入のタイミングとしてはちょうどいいタイミングだったようにも感じる。
しかし、小銭トレーダーとはいえ、実際にトレードしている立場からすれば、いくらボラが出るとはいえ、こういった短時間に上下に大きく振ってくるような値動きは、正直、勘弁してほしい。