〇初めに
この記事を読んでいる人は、たぶん、富士ソフトの「FS050W」の購入を検討している人だと思う。
そんな人のために、この記事の結論めいたことを事前に書いておく。
2023年の10月現在、富士ソフトの「FS050W」を購入することはあまりお勧めしない。
「どうしても、今、このタイミングで欲しいんだ!!」という人もいるのかもしれないが、出来ることならば、もう少し、様子を見た方がいい。
その結論に至るまでの過程を以下に書いたので、興味のある方は御一読いただければと思う。
〇「FS050W」と「5Gギガホプレミア」導入までの経緯
これまで、自宅ではWIMAX2+を使っていた。
しかし、速度の遅さと通信制限がかなり気になるようになってきたので、2023年の3月、自宅のネット環境を変えることにした。
私が住んでいる賃貸住宅では、光回線を引くことができない。
そのため、選択肢はdocomoやソフトバンクなどのキャリアが提供しているホームルーターを使うか、市販のモバイルルーターに通信料制限や速度制限のないSIMを入れて使うかのどちらかである。
少し悩んだのだが、docomoが「通信料制限なし・速度制限なし」のプラン「5Gギガホプレミア」を提供していたので、そちらを契約して、そのSIMを富士ソフト(Fujisoft)のFS050Wに入れて運用することにした。
以下に、上記の組み合わせで7か月ほど使ってみた感想を備忘録的に書いておく。
〇予備情報
使用場所等の予備情報は以下の通り。
◇仕様地域
関東の末端にある人口19万人の地方都市
◇使用する住環境
静かな住宅街の中にあるアパートの一室。
それまで使用していたWIMAX2+の電波は問題なく入っていたので、電波環境はそれほど悪くないと思う。
◇モバイルルーター
富士ソフト(Fujisoft) FS050W
◇モバイルルーターの使用方法
自宅に据え置きで固定回線代わりに使用。
持ち運びでの使用はほとんど行わない予定。
◇FS050Wを選んだ理由
バッテリーを外し、バッテリーレスの状態で、直接コンセントから電源を取って使用できるから。
(バッテリーの劣化による故障を回避するため。)
◇通信サービス
docomo5Gギガホプレミア
◇docomo5Gギガホプレミアを選んだ理由
通信料制限なし、速度制限なし、テザリングでも制限なし。
〇運用開始&通信速度
さっそく、富士ソフト(Fujisoft)の『FS050W』を購入し、「5Gギガホプレミア」を契約。
開封してSIMを入れ、ネットにつなげてみる。
ソフトバンクやau、楽天など他のキャリアのSIMは自動で認識するようだが、docomoのSIMは自動認識しないようなので、説明書に書いてある手順を踏んで接続。
おぉーー。
つながった。
自宅ではノートPC2台と、スマホ1台を接続しているが、通信速度は大体こんな感じ。
ノートPC1
ノートPC2
スマホ(pixel6a)
ノートPCもスマホも、だいたい通常時で40Mbps~90Mbpsぐらいの速度は出るようだ。
メールの送受信はもちろん、普通にYoutubeなどで動画を見るぐらいであれば何の問題もなく使用できる。
自分は、インターネットのヘビーユーザーではないので、これぐらいの通信速度が出てくれれば、何の問題もない。
これまで使っていたWIMAX2+と比べても倍以上の速度が出ているので、固定回線の代わりとして十分使える。
ただ、ネットのヘビーユーザー、とりわけYoutubeライブなどの生配信やオンラインゲームをやる人であれば、心もとない通信速度なのかもしれない。
実際、自分の使用環境下では100Mbpsを越えることは無かったので、生配信やオンラインゲームをガッツリやっていて、常に安定して100Mbps以上の速度が欲しいという人にはあまりお勧めできない組み合わせだと思う。
〇不満な点とその解消方法
富士ソフト(Fujisoft)の『FS050W』と「5Gギガホプレミア」の組み合わせを7か月ほど運用してみて、致命傷になるような大きな問題は特になかった。
しかし、ちょっとした不満点も出てきたので、不満の内容と自分なりの解消方法を以下に書いておく。
◇通信速度が不安定
光回線ではないので、ある程度は仕方がないのかもしれないが、混雑時間帯はどうしても通信速度が遅くなる。
特に昼の12:00から13:30ぐらいまでの時間帯と、夕方の16:00から18:00ぐらいまでの時間帯でこの傾向が顕著になる。
それ以外の「混雑時間帯」と言われる7:00-9:00、21:00-23:00の時間帯では、通信速度にそれほど大きな変化はないので、昼と夕方の時間帯に弱いようだ。
ちなみに、通信速度が落ちているときの速度計測結果は以下の通り。
通信速度が遅くなっても、20Mbpsぐらい出てくれていればそれほど問題はないのだが、一桁Mbpsや、もしくはメガまで届かないKbpsになってしまうと、なかなか厳しいものがある。
また、5月のGW期間中は、朝の8:00頃から夜19:00ぐらいにかけて、かなり長時間にわたって接続速度が10Mbpsぐらいまで落ちた。
◇接続が切れることがある。
通信速度が遅くなるとか、通信が不安定になるとか、そういったレベルではなく、通信が完全に途切れることがある。
調子がいいときには週に一回ほどなのだが、酷いときには、一日に三回ほどこの現象が起こる。
通信が途切れると、自然回復するまでには早くても10分ほど、長いと1時間弱かかるので、手っ取り早く復旧させるには、一度モバイルルーターの電源を切って、再度、スイッチを入れなおすしかない。
この現象が起こる原因は、正直、今もよくわからない。
しかし…、(以下に続く↓)
◇もしかして熱が原因?
『FS050W』を使い始めてからずっと気になっていることがあった。
それは、熱である。
特に、本体表面の画面がある部分、この部分がかなり熱くなる。
もう、40代以上の人にしかわからない例え話なのかもしれないが、ファミコンを長時間プレーした後、カセットの差し込み口の後ろにあるスリットが入っている部分を触ったときと同じぐらいの熱さを感じる。
もしかしたら、この熱が接続の途切れる原因なのではないかと思い、これまでこうやって(下の写真参照)平置きして使っていたものを…、
スマホ用のスタンドを使って縦置きにした。
さらに、この縦置き状態に100均で売っているUSBファンを組み合わせて、現在はこのような状態で使っている。
我ながら、思いつく解決方法があまりにも単純すぎるのではないかと自分自身にあきれていたが、なんと、これがビンゴ。
この「縦置き+USBファン」の状態にしてから、熱をほとんど感じなくなり、接続が途切れることもだいぶ少なくなった(全くなくなったわけではない)。
私は、この手のガジェット関係の専門的な知識があるわけではないので、接続が途切れる現象の対処法として、この解決法が、本当に正解なのかどうかは、正直、よくわからない。
しかし、現実問題、「縦置き+USBファン」で状況は改善したので、接続が途切れる症状で悩んでいる方は、ものは試しでやってみる価値はあると思う。
なお、100均のUSBファンの音がそこそこうるさいので、上記の方法を試す際には、その点をあらかじめご了承いただいた上で、試していただきたい。
〇総評
以上、富士ソフト(Fujisoft)のFS050Wに「docomo5Gギガホプレミア」の物理SIMを入れて固定回線代わりに使ってみた感想を書いてきたが、トータルで見て、ちょっと不満な部分が大きい。
特に、「FS050W」に関しては、機種の選択を失敗したかなという気がしないでもない。
自分の使い方を考えると、通信速度という面では特に不満なところはない。
しかし、通信の安定感に関しては、「ちょっとなぁ…」という感じがする。
時間帯による通信速度の変化は、「ギガホプレミア」側が原因の可能性もあると思うので、この点はある程度仕方がないのかもしれない。
ただ、本体が発熱して接続が途切れるというのは明らかに「FS050W」側の問題だろう。
金のことを言い始めるとちょっといやらしい感じもするのだが、この「FS050W」、値段は33000円ぐらいする。
「33000円出してこの感じ」というのが、どうにも不満なのだ。
実際、5GやeSIM、バッテリーの着脱といった点を考慮しなければ、同じメーカーで「FS050W」よりひとつ前のモデルである「FS040W」が14000円ぐらいで買える。
「FS050W」と「FS040W」の間に20000円の差が果たしてあるのだろうか…。
この文章を読んでいる人の中で、「FS050W」の購入を考えている人がいれば、一旦立ち止まって、再度検討してみることをお勧めする。
「FS050W」にこだわらなくても、より安価で、なおかつ、安定感のある機種が「FS050W」よりも安い値段で購入できると思う。
また、上述した「発熱」や「接続が途切れる」といった不具合が、ソフトウェアが原因で引き起こされるものであるならば、今後のアップデートで改善される可能性もあるので、繰り返しになるが、まさに今(2023年10月現在)、購入を考えている人は、もう少し、様子を見てみてもいいのかもしれない。