盛岡八幡宮の参拝を終えて、八幡町周辺を散策していると、渋すぎる外観に引かれて一軒の店の前で足をとめた。

お店の名前は『橋一』。
「はしいち」と読むのか「きょういち」と読むのかわからない。
時刻は14:30。
昼の営業時間帯としてはかなり遅い時間なのだが、暖簾は出ているし、まだ営業しているようなので入ってみることにした。
店に入ると、店内に飾られた「昭和30年代のメニュー」が目に入った。

親子丼やら、きつねそばやら、カレーライスやら、様々なメニューがあるものの、ほとんどのメニューの値段が数十円台。
昭和30年代といえば今からおよそ70年前。
当時はこの値段だったのかと思うとなんとなく感慨深い。
お店の人に聞いたわけではないので、確かなことはわからないのだが、このお店、70年前から営業しているのだろうか…。
もし、そうだとしたらけっこうな老舗。
確かに、店はかなり年季が入っているので、70年前からやっていると言われてもそれほど驚きはないが、実際のところどうなのだろう…。
店内には自分の他に家族連れが一人。
昼営業の終わり間際の14:30なのでこんなものだろう。
席について店員さんが持ってきてくれたメニュー表を見る。

色々と書いてあったが、今回はメニュー表ではなく店内の壁に貼ってあったメニューの中から麺類とライスとおかずのセットを注文。
頼んだものが到着するまで、メニュー表を見ていたのだが、このメニュー表、裏に「う〇この解説」が書いてある。

う〇この形や色、出しやすさなどについて記載があるのだが、飲食店でメニュー表の裏に「う〇この解説」を乗せるというセンス…。
ついさっき「味噌ラーメンセット」を頼んでしまったことに一抹の不安を覚えながら待っていると、頼んだものが届いた。

セットの内容は味噌ラーメン・ライス・おかず・漬物。
おかずの内容は日によって変わるようだが、この日は長いもの千切りだった。
さっそく味噌ラーメンから…。

スープは、自分が子供の頃に食べていたような昔懐かしいオールドタイプの味噌ラーメンスープ。
昨今のラーメンスープにありがちなゴッテリした油感は全くなく、サッパリした仕上がり。
しかし、味が濃いめでしっかりしているので、スープ自体に物足りなさは感じない。

上にのっている具材はシンプルな肉野菜炒め。
これもスープとよく合っていて旨い。

麺もシコシコとした歯ごたえでちょうどよい茹で具合。
ラーメン、ご飯、おかず、パクパクと食べ進めてきれいに完食。

昭和30年代のメニューの値段ほどではないが、今の値段も十分すぎるほど安い。
今時、「ラーメン・ライス・おかず一品・漬物」のセットが770円。
物価高の昨今、下手をすると1500円ぐらいしてもおかしくない中で、この値段は本当にすごい。
むしろ、お店の存続のことを考えたら、もう少し値上げしてもらってもいいとすら思ってしまう。
今後も、末永く営業して、ぜひとも創業100年を目指して欲しいと思う。
ごちそうさまでした。
〇今回の会計
味噌ラーメンセット(味噌ラーメン・ライス・おかず一品・漬物) 770円
〇店舗情報
店名:橋一
住所:岩手県盛岡市南大通1丁目7-18
営業時間:月~金(昼11:30-15:00 夜16:30-20:00 火曜日と金曜日は19:30まで)
定休日:日曜日
電話番号:019-651-4572
駐車場::不明