この日、日銀の政策金利発表と植田総裁の記者会見があった。
政策金利は予想通り据え置きだったので、発表されたときも30銭ほどの値動きだったのだが、この日の本番は植田総裁の記者会見だった。
会見はいつも通り15:30から始まったのだが、途中までは特に何事もなく無難に会見は進んでいた。
ところが、会見の終盤に差し迫った16:10分過ぎ、記者から「現在の物価には為替の水準も影響していると思うか?」という質問を受け、その答えとして「為替の動きは物価見通しに直ちに影響があるとは思っていない」と発言したのだ。


この発言が円安容認と受け止められて円安が加速。ドル円は一気に上昇した。
会見が始まった15:30の段階で、ドル円は148.683だったが、植田総裁の発言後からどんどん上昇し、ニューヨーククローズ直前の1日午前5:00に本日高値の150.839を付けた。
この日の安値は12:00頃につけた148.590だったので、ドル円は一日で実に2円20銭ほど上昇したことになる。
確か、昨年の4月24日だったと思うが、植田総裁は過去にも政策金利発表後の記者会見の発言が原因でドル円の暴騰を引き起こしている。
一見すると、言葉を選んで丁寧に発言しているように見えるのだが、要所要所でポロッと決定的な失言をする傾向がみられる。
もう151円は目の前という水準まで来てしまったが、ここから上となると151.200から151.300の間に多少の抵抗らしいものはあるものの、そこを抜けてしまうと158円までほぼ空白状態になる。
明日は雇用統計が控えているが、発表される数字によっては、ドル円がさらに暴騰して再び158円を目指す展開になる可能性も否定できない状況になってきた。