20250127 DeepSeekショックでドル安 ~ 為替にまつわる覚書 ~

この日の17:00、欧州時間に入って突如としてドル安が強まった。

ポンドドルやユーロドルなどのドルストにも買いが入ったのだが、とりわけドル円の売りが強烈で、17:00に155.883だったものが20時台には153.713まで下落した。

今日の高値が156.246なので、2円50銭ほど下落したことになる。

この下落の最中、自分は某FX系アナリストの生配信を見ていたのだが、下落の初動時点では生配信に登場しているアナリストやその配信にコメントしているリスナーも含めて、ドル売りの原因を明確に特定している人はいなかったと思う。

しかし、時間が経つにつれて、徐々にその震源地が株であることが明らかになってきた。

日本株と米株がゴリゴリ売られている。

そして、この下落の中心がNvidiaをはじめとするアメリカのハイテク企業であり、その下落の原因が中国初のAIスタートアップ企業「DeepSeek」であることが明らかになってきた。

自分はAIに関する知識が無いので、DeepSeek社が公開した高性能AI(R1)の詳細について説明することはできるはずもないが、株やFXという観点から今回の件で意識しておくべきことは、おおよそ次のような流れだろう。

1、DeepSeek社のR1が、これまで最高峰とされてきたアメリカのOpenAI社のo1とほぼ同等(もしかするとそれ以上?)の性能を持っているということ。

2、このR1はオープンソースで公開されているということ。

3、DeepSeek社がR1を560万ドル(日本円にして8億7000万円ほど)という、圧倒的な低価格で作ってしまったということ。

4、AI開発における技術面でのハードルが低下(R1はオープンソースで公開されている)。

5、AI開発における金銭面でのハードルが低下(R1の開発費は560万ドルほど)。

6、AI開発というジャンルが一気に民主化される。

7、世界中の様々な企業や個人がAI開発に参戦。

8、AI開発におけるアメリカ一強の現状が崩される。

9、AIの低価格競争が始まる。

10、AIの投資先としての魅力が低下する可能性が…。

このスパイラルが発生すると、AIの開発導入に当たって、「別に、アメリカの会社じゃなくても…」、「そもそも、AIにそんなに巨額の投資をしなくても(データセンターいる?データセンターに電気を送る電線いる?ていうか、そもそも、電気いる?などなど)…」という思惑が広がる可能性がある。

そして、このような思惑が広がると、今までAI関連事業に集まっていたお金が一気に逃げていく。

今の米株と日本株の上昇を支えているのはAI関連株と、それに密接に関係する半導体関連株だ。

もし、これらの銘柄が一気に崩れたら…。

2025年はまだ始まったばかり。

今年の相場はどうなるのだろう…。

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