20241115 植田総裁の発言と米国CPIでドル円が大きく下落 ~ 為替にまつわる覚書 ~

日銀の植田総裁が、全国地方銀行協会の賀詞交歓会であいさつし、以下のように述べた。

「経済物価の改善続くなら政策金利引き上げへ、来週利上げの是非を判断する」

「金融政策、経済・物価の情勢の改善が続けば政策金利を引き上げ緩和度合いを調整」

「利上げを巡る判断は米国の政策や春闘の賃金動向次第、それらを精査し来週の会合で利上げを行うか判断」

「支店長会議で前向きな兆し多かった」

基本的には、14日の氷見野副総裁の発言と同じことを言っているのだが、やはり、総裁が発言すると重みが違うのか、植田総裁の発言後、ドル円は急降下。

一時的に50銭ほど戻す場面もあったものの、18時台に156.711をつけた。

発言前の高値が158.084だったので、およそ1円30銭ほど下落したことになる。

その後はレンジでの推移が続いていたが、22:30に発表された米国のCPIでドル円はもう一段下落した。

指票前の高値が157.088。指標発表後の安値が155.932だったので、1円15銭ほど下げたことになる。

指標の内容を見ると、コアCPIが予想0.3%に対して結果が0.2%だったものの、CPI自体は前月、前年比ともに予想通りだったので、それほど驚くような結果ではないと思う。

しかし、今回のCPIは、それ以前に発表されていたアメリカの経済指標が軒並み非常に強い結果ばかりで、年内の利下げの回数が減るどころか、場合によっては再び利上げも…、という観測が出ていた中での発表だったので、結果以上に大きく反応したのだろう。

この日の下落で、ドル円は、昨年の12月20日以来続いていたレンジの下限ぐらいまで一気に下げたことになる。

明日以降、ドル円がこのレンジを破っていくのかどうかに注目したい。

日銀植田総裁の発言を伝えるニュース

米国CPIの結果

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